先日、取引先の社長さんから一本の電話が....
社長:「ちょっと面倒なお仕事手伝ってもらない?」
私 : 「ん?.........」
社長:「その変わりイイモノ見せてあげるからさぁ」
この人とは、結構長いお付き合いなのだが
話の中身をあまり離さない時は、結構面倒な仕事な事が多かったりする:笑
うーん。今回はなんだろ?まあいっか!と気軽に返事をしたのだが
コレが悪夢の始まりだった.....
それからしばらく経った先日の夕方、仕事の現場のお台場で待ち合わせ。
えらくにぎわってる。さすがお台場。平日でも結構込んでる。
「ども~」と私。
ふと海辺を見渡すと目の前の公園でなにかイベントをやってる様子。
会場をヘリコプターがバラバラと大きい音を立てて旋回している。
なにか空から撮影しているみたい。
「いや~すみませんね。」と社長さんが話しかけられた。
「今日は何かのイベントなんですか?」と歩きながら会話を始めた。
この社長さん。
エンターテイメント業界ではちょっと名の知れたコンテンツ制作会社を経営している。
デザインもフラッシュ製作もプログラミングも自分でもやってしまう職人肌の方。
「そうそう。hiroさんに手伝ってもらいたかったのコレなんだよ」とイベントで賑わう会場を指差しながら答えた。
「沢山の人だかりですね。今日は何のイベントなんですか?」
「ん?映画の試写会だよ。色々記録撮らなきゃいけなくてね。」
「ふーん。」
(余談)
そもそも、受けてた相談というのが、ネットでとあるデータを映像配信するからそれの進行管理をしてほしい
と言うモノだった。当然ウチの会社のシステムを使うので、管理をするのは当たり前なのだが....
でもそんな事にわざわざ呼び出さなくても??うちのスタッフもセンターで出張っているし....
で歩きながら会場の映画館を目指していると、目の前にでっかい「M:i:3」のポスターが....
おお!そかミッションインポッシフル3がそろそろ公開だ。あ!そかそか今日はその試写会だったのか。
なんて考えながら、会場についてびっくり。ただの試写会ではなかった。
そう「ジャパンプレミア」試写会だった。
すんごいプレスの数。芸能人もちらほら。
あれ?もしかして舞台挨拶であの人も来るって事?
私:「もしかしてトム○ルーズもくるんですか?」
社:「そだよ。あのヘリコプターは海から上陸してくるトムクルーズの撮影してるんだよ。」
私:「え~~~!海から上陸ですか?」
社:「そうそう。今回トム君えらく気合いはいってるんだよね。」
私:「トム君って....」
先ほど、名の知れたというのはこの彼、実はトム○○ーズの所有する制作会社から
ご指名で「M:i:3」の日本のWEBプロモーションの総責任者だったりするのである。
って事は面倒なお仕事の後は........
試写会が見れるって事?やった~わーい。わーい。
で会場に足を運んで、どんなプレスが来ているのかをチェックし、
会場のスタッフと記録のとり方を打ち合わせをしながら、試写会の時間を待つことに....
(内心。面倒といってそんなに大変ではないし、試写会見れるのはラッキーと思っていた。)
で、社長とはここでお別れし、私は、その会社のスタッフと共に会場の一番前のやや隅っこで待機。
おお。生の出演者達がみれる。
トム○○ーズには興味はあまりないけど、ハリウッドスターを目の前で見れるチャンスはそうそうない。
ワクワクしながら、舞台挨拶が始まるのを待っていた。
時間になり、フッと照明が消え、MCからト○○ルーズが紹介されたその時、会場がキャーキャーと
沸いた。(ここまでは想定の範囲内)
プレスのフラッシュがパシャパシャ。会場内にカメラ持込がOKだったようで、会場の一般席からも
フラッシュがパシャパシャ。(ここも想定の範囲内)
ところが次の瞬間。会場内から「トム~!」「トム~!」と黄色い声が沢山叫び響く。
それににっこりな笑顔で微笑む彼。さすが、スターだ。笑顔が素敵だ(背はちっちゃいケド....)
うーむ。確かに彼は「トム君」だ。しかし....そんな気安く呼んでいいのか?気安すぎないか?
まるで小柳トムを呼んでるみたいだぞ.....
横でスタッフは、トム君を撮影するのではなく、会場内を一生懸命撮影している。
会場内は、トム君の一挙手一投足にパシャパシャ!キャーキャー!
こっちは、パシャパシャ!キャーキャー!に向かってパシャパシャとジー(ビデオ)をまわしてる。
その光景は、なんだかとっても違和感がある。横で暇な私は、トム君を観察してみた。
うーむ。
丹精な顔立ちだ。
かっこいいのう....背は小さいけど....(横にいる女優さんの方が背が高い。)
あれ?よく見るとトム君ってば結構お腹でてるじゃない。
白の上下のジャケットととパンツを着ていたけど、明らかにお腹のシルエットが出っ張ってる。
うーむ。やっぱりトム君の年齢から来る重力の法則には勝てないのね:笑
なーんて考えて、20分ぐらいたっただろうか。
挨拶も華僑に入り試写会が始まろうとしていた時、私の横でごちゃごちゃ場内の関係者と
押し問答している女性二人がいた。どうやら全くの素人で花束を渡したいらしい。
当然場内の関係者はダメだと言ってる様子。
そしたら、その問答を壇上から見ていたトム君。なんと事もあろうか、その女性二人を呼ぶではないか。
「its ok. come on here.....」(いいよ。こっちにおいで:[確かこう言ったはず])
なんと花束を受け取って、しかも二人とハグしてる。 今にも嬉しくて、泣き出しそうだぞ.....女性二人
うわ~なんという大胆な素人....ファンサービスすごいな.....トム。
それ以外にも、トム家は近々出産予定らしく、生まれてくる子供へのプレゼントの人形等を渡す女性にもニコニコ笑顔で挨拶している。
なーんて思っていたら、舞台挨拶終了の合図が。。。
「プレスの方々お疲れ様でした。どうぞご退場ください」とアナウンスが入り、最前列に陣取っていた
プレスの方々が引き上げてく。
よーし、特にトラブルもないしゆっくり試写できるぞー!ご褒美~♪ご褒美~♪
○○さん(社長さんの名)素敵なご褒美ありがとーなどと思い
椅子に座ろうとしたその時である。
私の腕を誰かがつかんだ。 ん?と思って横をみると、さっきまで撮影していたスタッフがカメラを片付け
椅子に座ろうとする私の腕をつかんでいた。そしてこう言った「さあ出ましょう」
えーーーーーーーーー!私も出るのぉぉぉぉぉ!試写会始まっちゃうぢゃん!(これは想定の範囲外)
気づくと、プレスカメラマンの最後尾をトボトボ歩く私がいた。
パタンと会場の扉が閉まり、場内では「M:i:3」のテーマソングが流れ始めてた。
チャッチャッチャッチャッチャッ!チャッチャッチャッチャッチャッ!たりら~ん!たりり~ん♪
会場出たところで社長さんに会い、紙とペンを渡され
プレスさん達の記事のアップ予定時間や編集日時をヒアリングしメモる私。
確かに配信スケジュールを把握しておかないと後で大変な事になる。
そっか。手伝いってこれだったのか....
瞬く間に名刺が手元に積みあがる。間違えないようにひたすらメモを取り続ける。
やっとひと段落して、社長さんに一言。
「ふ~お疲れ様です。ところで試写って見れないんですか?ご褒美~♪」
「ん?無理だよ試写は........トム君みれたでしょ。」
どうやら、社長さんのいう「イイモノ」は生トムだったらしい....
いやぁぁぁぁぁあ! 生トムより「M:i:3」がみたいでしょー!
壁の向こうでは、日本初の試写やってるぢゃん!
「いや~ プレス向けの試写は先週やっちゃたんだよね~だから今日は舞台挨拶だけだよ....」
がーーーん。プレス向け試写があったのは知らなかった。
っていうか呼んでくれなかったぢゃん!
「だってこの間電話した時電話でなかったぢゃ~ん」
「え?あれ?」あっ!そうだ2週間ほど前連絡もらってたっけ?
あちゃー。忙しくて折TELしてなかったカモ.......あれ?もしかして、これって自業自得ってやつ?
という訳で、ジャパンプレミアの会場にいて、イベントも見て、生トムをみて、綺麗な女優さんもみて
翻訳家の戸田奈○子さんをみて、舞台挨拶も聞いて、黄色い声援も聞いて、プレスの方達とも
挨拶して、劇場パンフレットも持ってて「M:i:3」の製作秘話も知っているのに、本編の内容を
未だ全く分からないとってもある意味、貴重(悪夢)な体験?をした「私」だったのでした。
あ~疲れたっちゅーの!